私たちが最初のハープをこの世に送り出してから、長い年月が経ちました。
いま、私たちの元にメンテナンスで戻ってくる楽器の多くが、私たち青山ハープのスタッフの平均年齢と同じくらい長く使われてきた楽器です。
ずっと使い続けられるよう古い楽器のメンテナンスをすることは、実はとてもお金のかかることです。
場合によっては、新しい楽器のご購入を検討されては、とお客様に提案させていただくこともございます。
それでもほとんどのお客様は、「この楽器を手元に置いておきたいから」とおっしゃってくださいます。
長年使ってきた楽器は、単なる「物」ではなくなっているのでしょう。

その一方で、長くおつきあいのあるお客様からご相談を受けることもしばしば。
体に負担の少ないハープで、もっと永く弾き続けたいのだけど、と。
どんなハープをつくればお客様の希望を叶えることができるのだろうと、私たちは試行錯誤を重ねました。

 いつも身近に置いておける小さなハープ?
 小型のグランドハープ?
 ハープの原点に戻って、シングルアクション?

様々なハープづくりを通じてお客様からいただいた、たくさんの声がヒントとなりました。

1. より少ない力で

25弦のサウルハープと29弦のサウルハープは、高音部は弦の長さがほとんど変わりません。
使用している弦はもちろん同じです。
ですので、弦の張力そのものは変わらないはずなのに「29Sの方が弦がとても柔らかく感じる」と多数の方からご感想をいただきました。
29Sは25Sより楽器の胴が大きい分、音が良く響きます。同じ音量を出すのに25Sよりも少ない力ですむのです。
いままでアイリッシュ・ハープ タイプをお使いいただいていたお客様には胴の容積をより大きくすることで、いままでグランドハープをお使いいただいていたお客様には弦の素材や径が変わることで、より少ない力で弾いていただけるよう設計しました。
また室内での移動も楽になるよう、前脚のキャスターを標準仕様として採用いたしました。

2. 激しいペダルワークはなし、でも、ちょっとした半音変換はできるように

ペダルを#(シャープ)の位置まで踏み込むのはかなりの力が要ります。
また、ペダルハープは金属でできた複雑なアクションを組み込まなければならないため、重量が重くなってしまいます。
あとあとのメンテナンスの点でも、レバーハープの方がお客様への負担が少ないと判断いたしました。

3. 音質は妥協しない

グランドハープの音になれてしまうと、アイリッシュ・ハープ タイプの音色にどうしてもなじめないというお客様は多いようです。
グランドハープに近い胴の容積を確保するとともに、34Sシリーズでも評価をいただいているガット弦を一部のポジションに使用し、音色の深みをプラスしました。

こうして、今までにない弾き心地と響きの 41弦ノンペダルハープ ARTEMIS《アルテミス》が誕生いたしました。

私たち青山ハープの製作するハープは、すべて日本の国内の(それも北陸の片隅の)小さな工場で作られています。
そのハープすべての、3000以上ある部品の一つ一つが、日本で作られたものです。
1台の楽器にたった1つしか使われない部品も、日本のもの作りの技術力が背景にあって成り立っています。
新しい楽器づくりのヒントは、お客様から私たちにお寄せいただく声です。
日本の誇りと安心を実感できるハープを是非、弾いてみてください。

41弦 ノンペダル・ハープ
150(WN) ARTEMIS《アルテミス》
ウォールナット材 半艶消し仕上

タイプ
ノンペダルハープ
高さ
162cm
(前脚キャスター部を含む)
重さ
20Kg
弦数
41弦
音域
6G−1E
付属品
チューニングハンマー
保証期間
1年(ただし日本国内の使用に限る)

41弦 ノンペダル・ハープ
150(N) ARTEMIS《アルテミス》
メープル材 半艶消し仕上

タイプ
ノンペダルハープ
高さ
162cm
(前脚キャスター部を含む)
重さ
20.5Kg
弦数
41弦
音域
6G−1E
付属品
チューニングハンマー
保証期間
1年(ただし日本国内の使用に限る)

*41弦ノンペダル・ハープ ARTEMIS アルテミス 150(WN)および150(N)は
青山ハープ(株)東京SHOP および 大阪SHOP
銀座山野楽器本店 3F 弦楽器フロア
銀座山野楽器仙台店
銀座山野楽器広島店
の各店にて展示しております。
(2019年8月現在)